持続可能で効果的なウェイトマネジメントは、健康的な食事療法や定期的な運動が必要だということが基本です。しかし、なかなか運動する時間がとれず、食事制限だけになってしまっている方もいるでしょう。 バランスの良いウェイトマネジメントのために、食事と運動の2つがなぜ大切なのか? 知識を深めるためにも、ぜひ「脂肪」と「筋肉」について学びましょう。
余分な体脂肪を減らすことは、長期的に見ても健康を脅かす多くのリスクが減少しますが、脂肪と一緒に筋肉をも減らしてしまうようなダイエットやトレーニングは、長期的な健康被害をもたらす可能性があります。
ウェイトマネジメントにおいて大事なのは体重だけでなく、脂肪、筋肉の量なのです。
除脂肪体重とは?筋肉とは?
「除脂肪体重」とは、全体重のうち体脂肪を除いた筋肉・骨・内臓などの総量です。これは体重に関する指標のひとつで、文字通り体脂肪を除いた体重の増加と、筋肉組織の成長を見るために使われます。
筋肉量は、骨や脂肪、ほか各組織から独立した筋肉組織として考えられています。ボディービルダーのような鍛え抜かれた体は、彼らが体脂肪を減らして筋肉量を増やした結果です。
体脂肪とは?
「脂肪」という言葉にはネガティブなイメージがあるかもしれませんが、脂肪は私たちが生きる上で欠かせないものです。
人間は誰しも体脂肪率0%の状態で生きることはできません。つまり、体脂肪が少なすぎても多すぎても、同じレベルで危険なのです。
体脂肪率が高い人の健康上のリスクには、心血管系の病気や、睡眠の質の低下、そして関節障害を引き起こす、といったことが挙げられます。
真の健康のためには、適切なバランスを保つことが大切です。
ボディマス指数(BMI)を使った肥満度の計算
BMIは、肥満度の計算に使用される国際的な体格指数です。厳しいカロリー制限や過度な運動を強いる食事療法は、悪影響を与える可能性があります。
安全で効果的なウェイトマネジメントを実現するためには、新しい筋肉の成長を妨げることなく体脂肪率を下げる運動と、健康的な生活のために必要な栄養とカロリーを含むバランスの取れた食事の両方が必要です。
無理のないウェイトマネジメントプランを作る
有酸素系の運動と筋力トレーニングはいずれもウェイトマネジメントに有効です。健康的で無理なく続けられるウェイトマネジメントを実現するためには、脂肪を減少させつつ筋肉を成長させる運動プログラムを作り、それを継続することが最善の方法となります。
有酸素運動は脂肪に変わる可能性のあるカロリーを消費し、一方で引き締まった筋肉を作る筋トレは代謝機能を高めます。つまり、有酸素運動はカロリーを消費しますが、カロリーが消費されるのは運動をしている間と、その後しばらくの間だけ。
一方で、筋トレは代謝機能を高める筋肉を作るので、筋肉をつけて体重を増やすことが結果として、1日中燃焼し続けるカロリーを増加させることにつながり、いわゆる「痩せ体質」へと導いてくれるのです。
数字にとらわれすぎない
ウェイトマネジメントを達成しようとするときに人々がよく陥る間違った考えは、「体重が減った=脂肪が落ちた」と思ってしまうことです。しかしそれは筋肉が失われたことを意味しているかもしれません。
筋肉は脂肪よりもはるかに密度が高いため、もしウェイトトレーニングなどをしているのであれば、全体の見た目がより引き締まったように見える一方で、体重の減少は見られないかもしれません。
言い換えれば、体重計の数字に変化があまりなくても、見た目は劇的に変化している可能性もある、ということです。
食事と栄養
ウェイトマネジメントにおいて重要なのは、食事と運動のバランスだと何度か説明していますが、食事についてもフォーカスしてみましょう。適切な食事療法は運動プログラムを組むのと同じくらい重要です。インターネットや本で調べてみると、脂肪燃焼や筋肉増加を促進することを目的とした食事プランが色々見つけられるでしょう。
自分にあった食事の仕方や内容については、健診などの際に栄養士に尋ねるとよいでしょう。
持病がある方は、運動プログラムを開始する前や、食事の内容を大きく変えようとする場合には、かかりつけの医師に相談してください。